大阪~水の都で桜を観る
2017.4.8.~9.
どこから来て どこへ行くの
あんなに強く愛した気持ちも 憎んだことも
いまはむかし
四月ごとに 同じ席は うす紅の砂時計の底になる
空から経る時が見える さびれたこのホテルから
(「経る時」 松任谷由実)
大阪城
激務の中、案内を買って出てくれた旧友に連れられて大阪城にきました。
お濠にかかる橋を渡り、石垣づたいの道を上がってゆくと、城は迫ってくるようです。すごい迫力です。この中で豊臣秀吉が権勢をほしいままにしたんだな、と思うと「オー」と感じます。
桜と水の調和が見事なお濠を金箔を施した絢爛な舟が行きます。なんとなく、「豊臣秀吉の趣味嗜好かなぁ」と笑ってしまいます。
観桜クルーズ
旧友の計らいで、大阪城のほとりから,船に乗って川を走りながら、まさに今が満開で文句のつけようがないほどに咲き誇る見事な桜を楽しむ事が出来ました。
昨日歩いた、中之島エリアも船の中から見えます。当初、考えていた造幣局はソメイヨシノではなく、八重桜で、咲く時期が若干遅いそうで、有名な「桜の通り抜け」は11日からだと、船内アナウンスが告げていました。その造幣局も船内から見えました。屋根が硬貨の形をしているからわかりやすいです。造幣局でなくても、船の中からの、この見事な眺めに大満足です。
船は、「天満橋」「天神橋」「桜宮橋」など、大阪の名だたる橋をくぐります。地元ではこの川を「大川」と呼ぶそうですが、大川の両岸の桜並木は全長が4キロもあり、日本有数の規模だそうです。
約1時間に及ぶクルーズでしたが、船を降りた時は、感動するコンサートを鑑賞した後のようなさわやかな虚脱感がありました。旧友の思いやりのある取り成しに感謝します。と同時に、変わることのない友情と、桜の咲き誇る光景がオーバーラップします。大阪での花見は大満足です。
なんば~お好み焼きを食べる
環状線と地下鉄を乗り継ぎ、なんばに来ました。お腹も空いたので昼ごはんをしようと言うことになって、お好み焼き屋さんに入りました。目の前が鉄板になっているので、自分たちで焼くのかと思いきや、焼いたものを鉄板の上に供してくれるのです。冷めなくていい工夫です。旧友はかやくご飯のセット、俺はドリンクとサラダのセットをいただきました。「大阪人はお好み焼きと一緒にご飯を食べる。炭水化物の二重摂取だ」と言ってました。東西の食文化の違いです。
道頓堀
阪神タイガースが優勝すると、川に飛び込む人がいる橋の上に来ました。「かに道楽」の、動く蟹の宣伝オブジェを見ることができました。今回の大阪旅行でどうしても、と旧友にお願いしておいた「グリコの看板と一緒に写真に納まる」ができて、感無量です。
御堂筋
「新世界に行きたい」とリクエストすると、「ならば、地下鉄に乗ろう」と旧友は言います。道頓堀から心斎橋まで、混雑している通りは避け、むしろ表通りの方が歩きやすいということで、御堂筋を歩きました。欧陽菲菲を思い出します。古いですね。
ジャンジャン横丁
やってきました、新世界エリア・・・「動物園前」という駅を降りると、いきなりそれまでとは違う雰囲気が広がります。ゴミゴミした中に人々が強く生きてるエネルギーに励まされます。大阪の下町という感じでしょうか・・・好きです、こうした雰囲気。細いアーケードの両脇に、飲食店や、昔懐かしい射的の店なんかが、ひしめくように賑わってます。
新世界
派手な宣伝看板、東京では絶対にお目に掛かれないようなハリボテの袖看板、豹や虎の柄の服を扱う店、大阪ならではの情感です。有名な「つぼらや」のフグの看板と写真を撮ってもらい、いい記念になりました。
通天閣
空にそびえる通天閣です。裏から見ると違う宣伝文が書いてあるのですね。将棋で有名な坂田三吉の記念碑があります。
ここまで来たら、やはり記念に串カツが食べたい!
通天閣見物の後、疲れを癒す意味でレトロなサ店でお茶して、旧友と思い出談義や、現在のことなどを話しました。お茶が終り、旧友は用事があるということで新世界でバイバイしました。俺の、思い出を形に残したいという意図からくる「写真撮って」攻撃にも、嫌な顔せず、付き合ってくれて本当に感謝です。握手をして別れました。またの再会を約束して。一人になった俺は、帰りの新幹線までの時間で、やはり、大阪に来た記念に串カツを食べることにしました。ソースを2回つけると叱られる、あれです。10本盛りを頼んで、ビールやレモンサワーを、酔わないようにゆっくりペースで飲みました。美味しかったです
旅の終わり~新大阪駅
串カツを食べた後、梅田の地下街をぶらぶらしているうちに、帰りの新幹線の時間になりました。毎年、千鳥ヶ淵や井の頭公園で見ている桜ですが、今回のように旅とセットにして楽しむのも素敵だと知りました。殊に激務をこなし、疲れているだろう旧友が、人気のある観桜クルーズまで用意してくれて、大阪の行きたかった場所を的確に案内してくれたのには、深い「つながり」を感じて感謝で涙が出ます。東京行きの「のぞみ号」が発車すると「有難う。帰ります」とメールをしました。「わずか1泊の大阪滞在だったけど、無駄な動きが無い、内容の濃いものだったな」・・・そう感じながら、ハイボールを飲みました。