長崎~和・唐・蘭の情緒の中、ぶらぶら歩く

2017.8.29~31

軍艦島・・・俺は何故この島に来ることを切望したのだろう

かつて巨大資本が投下され そこで働く人々の過酷でも生き生きした生活があった島

産業構造の変化に伴い やがて生活は破綻し いつしか住む人も無くなり生活の痕跡だけが残る島になった

最先端の建築工学を駆使しても 現状を維持することは不可能

滅んでゆくことを鑑賞するしかない世界遺産



2日目

三菱重工・長崎造船所

長崎滞在の2日目です。昨日の疲れもものともせず、ホテルで元気よく朝食を摂り、この旅行の目玉の1つである「軍艦島上陸クルーズ」の乗船場へ向かいます。ホテルから歩いて10分ほどの乗船場へ行き、簡単な禁止事項に同意する旨の書類を提出して船に乗り込みます。「いよいよだなぁ」そんな感慨です。定刻に出航したクルーズ船は、長崎港を出ます。案内放送を聞きながら、晴れ渡った海を観ます。最初に目にしたのが、巨大な船のドックです。「三菱重工・長崎造船所」です。国内最大の造船所であり、船のドックです。イージス艦も停泊していました。どこか整備する箇所があるのでしょう。

高島

軍艦島へ上陸する前の前哨段階として、船を下りて上陸しました。軍艦島と同じく、海底炭坑として栄えた島です。軍艦島が無人島なのに対して、この高島は数百人程度の居住者がいるそうです。海底炭田の資料館や、軍艦島が賑わっていたころの写真の展示などがありました。

軍艦島

船が進み,島が見えてきます。「あれがそうかな?」が、だんだんとハッキリと分かるにつれ、興奮が高まります。「念願叶ってここまで来ることができた」そんな気持ちです。上陸しても、動ける範囲は限定的であるため、島のエリアによっては船の中からしか、見学できないそうです。写真を撮りまくります。

ついに上陸できました。会社の同僚は「瓦礫のごろごろした荒地だよ、大丈夫なの?」なんて、出発前に言っていましたが、手すりのある、きちんと舗装された順路があって、安全に見学できます。

巨大資本が注入され、日本の近代化を支えた石炭を採掘します。労働基準法なんて、なかった時代のこと、海底炭田で働く人の労働環境の過酷さが、ガイドさんの語り口で分かります。時代が流れ、石炭の需要は凋落の一途を辿り、島を離れざるを得なかった人々。誰もいなくなっても、島が生活感で溢れていたころの施設群が廃墟に近い状態で残っている。「一部の資本家に翻弄された民衆じゃない」ことを祈りつつ、滅んでゆく姿を観るしかない幻影集落を観ました。

新地中華街

軍艦島から帰って、再び陸に上がったら、12:30でした。ホテルに戻って、休憩してから観光の続きをしようということになりました。丁度お腹も空いたので、昼ごはんにしようということになり、ホテルの隣の、新地中華街というところへ行きました。横浜の中華街より狭く、コンパクトです。横浜、神戸に続いて、長崎でも来られたので、日本三大中華街を制覇できました。ちゃんぽんを食べました。食べた後、フッと思ったのですが「ちゃんぽんって、中華料理かな? 長崎発祥の料理じゃないのかな?」でも、美味しかったから、いいです。

オランダ坂

昼ご飯をしたのち、ホテルで少しくつろいでから、出かけます。オランダ坂に行きました。急峻な坂道に石畳が続きます。西洋風の建築物があり、モダンな感じがします。「春に行った、横浜の元町に似ているね」と、相方が言います。すごく暑い日だったので、汗ダラダラになりながら、急坂を昇り切りました。

大浦天主堂

現存する日本最古のカトリック教会で、国宝です。正面の急な階段を相方の手を借りて上ります。1597年日本で最初に殉教した日本二十六聖人たちに捧げられた教会だそうです。そのため、協会は殉教の地である西坂に向けて建てられています。中の撮影ができないのが残念ですが、見事なステンドグラスの灯りの中に身を置くと、キリスト教徒ではない俺でも、厳粛な気持ちになります。

グラバー園

有名な外国商人の瀟洒な邸宅があったエリアに、長崎の歴史的建造物を移築した公園です。急な山道でも、動く歩道が完備されていて、ありがたいです。

洋館の中に、この邸宅の主が使用したと思われる調度品がありました。執務をしたであろう机に座ってみました。服装がラフなのでサマにならないですね。修学旅行生がたくさんいました。

角煮まんで部屋飲み

グラバー園を見学して、ホテルのあるエリアにぶらぶら歩いて戻ったら、18時を少し過ぎてました。どこかへ飲みに行こうかと思ったのですが、2人とも炎天下を歩き通して疲れていました。明日、帰る前に卓袱料理をいただくことになっています。「それならば・・・」ということで、長崎グルメの一つである「角煮まん」を買い込んで、ホテルで酒盛りしました。(といっても、相方は飲めないので、俺ひとり、ビールとハイボールをガブガブ飲んだ。笑)疲れて、早く寝ました。