京都・・・新緑の清しさを満喫する旅
2016.5.13~15.
典雅・・・古来より日本に伝わった雅な美意識
日本人としてこの国に生まれながら いつしかほとんどの人が忘れてしまった年中儀式
それが息づくことを確認するように あでやかな行列はゆく
3日目
御所
京都って、地名からして感じる由緒があります。2本の通りがクロスする地点で、その通りの名前を合体して、表すのですね。烏丸今出川という交差点の先が御所です。広い敷地の中、祭り装束の人々が行きかいます。細かい玉砂利のシャリシャリした足さわりが、いいです。
葵祭
今回京都に来た目的の一つが、この優美な祭りを見物することです。古式ゆかしい平安装束をまとった貴人の行列、藤の花であでやかに飾られた牛車(ぎっしゃ)・・・行列は10:30に御所を出発し、下鴨神社を経由し、上賀茂神社を目指します。
斎王代を乗せた牛車が、優美に通り過ぎる。
平安神宮
葵祭の行列に、ある程度ついていったのですが、すごい人で、歩くのもままならなくなり、追うのを断念しました。夕方から仕事がある智ちゃんですが、近場なら観光できるというので、案内してもらいました。
谷崎潤一郎の「細雪」で、蒔岡家の美しい四姉妹が平安神宮を参拝するシーンがありますね。もっとも話の中では春の花見に訪れるのですが、新緑と朱塗りの建物の対比もいいものです。拝殿で手を合わせ、祈りました。「この京都で研究がおこなわれているiPS細胞で、俺の不治の病がいつか、早いうちに治りますように・・・」
三十三間堂
中心に据えられた大きな観音像の両側に、左右500体ずつの観音立像が並び、風神、雷神像が配置されている。写真撮影ができないのが残念ですが、その光景は圧巻です。外国人観光客が大きな驚きを露わにしていました。こんなにたくさんの観音像、よく彫ったものだと、俺も思います。当時の人々の信仰心の篤さを思います。現代人より、はるかに勤勉だったのだな、と思います。建物全体が国宝というのも、うなずけます。
↑ いまから10年前、智ちゃんと知り合ったはじめに、三十三間堂を案内してもらった時の写真です。
おばんざい弁当
仕事に行かなければならない時間になったとのことで、智ちゃんとは三十三間堂でさよならしました。またの再会を約束して。俺は七条通りを西に向かい、京都駅まで歩きます。本当にいい天気で暑いです。京都駅について、地下街を散策します。そう言えば、昼ご飯を食べてないことを思い、ふと目についた和食屋さんで、おばんざいの定食をいただき、ノドも乾いていたので、生ビールも一杯飲みました。京風のおばんざい、美味しいですね。サワラの照り焼き、ごま豆腐、おいしかったです。
京都駅~旅の終わり
新幹線の時間まで、あと30分になりました。錦市場へ千枚漬けを買いに行くには少し時間が足りません。転ばないように、慌てないように、早めにホームで待つのがいいと思い、改札を入り、新幹線ホームでベンチに座り、くつろぎます。撮った写真を眺めながら、「今回は本当にいろんなところに行ったなぁ」と充実感を覚えます。京都だけに絞った3日間だったので、この街の底知れぬ魅力を満喫できました。17:36新幹線に乗り、今回一方ならぬお世話になった 智ちゃん と こうじさん に「帰ります。いろいろとありがとう」とメールしておきました。俺の障害のことにもきちんと配慮してくれて、安全なように京都を案内してくれました。地元の彼等だからこそ知ってるようなスポットも行くことができて感激です。「友達とは、いいものだな・・・」旅が終る時のいくばくかの寂寥感と、人の暖かさに触れながら京都を満喫できた達成感を味わいながら、ハイボールを飲みました。