金沢・・・伝統美に耽る旅

2017.1.6~8.

美しいものを見る・・・心が洗われる気持ちになりますよね。

武家社会の中で育まれた職人技の美の様式。それが確かに受け継がれ、伝統という形で加賀の美を支える。

それにささやかでも触れたくて金沢に来ました。

11月に予定していたのを1月に変更したのは「その方が魚が美味しいよ」とアドバイスしてくださった人がいるからです。

加賀懐石も味わうことができました。



北陸新幹線~旅のはじまり

初体験の北陸新幹線です。しかも最速で金沢に向かう「かがやき」です。カッコいい、オシャレ・・・流線形が極まったボディはシャープな印象です。大宮を出ると、長野、富山と停まって、もう金沢です。県庁所在地しか停まりません。わずか2時間半です。北陸がグッと近くなりました。

金沢駅~タクシードライバー

着きました、金沢駅です。「おもてなしドーム」が見事な迫力です。今回の金沢の旅は忍者寺から始めることにしていました。コースのプランをアドバイスしてくれた人から、「忍者寺へはタクシーで行くのがいい」と言われていたので、タクシーを拾います。が、このタクシードライバー、とても親切な人で、観光客に優しいタイプの人です。俺の泊まるホテルの位置を中心に、各名所の位置関係を教えてくれるのです。金沢駅から忍者寺に行く途中、宿泊するホテルの前を通りました。チェックインは16時ですが、事前にホテルの場所が確認できたのは心強いです。「夜は香林坊へ繰り出してお酒が飲みたい」というと、タクシードライバーは俺の見当違いを指摘してくれて「香林坊は飲み屋街じゃないよ。お酒を飲むのは、むしろ貴方が泊まるあたりの方が店が集中している」と教えてくれました。やはりタクシー運転手さんの知識、とても助かります。

忍者寺

数々の「落とし穴」、灯り取り階段、武者がえし・・・百万石という大藩であるが故、幕府から何かと目をつけられ、ややもすると攻め込まれる可能性も否定できない前田家の施したからくりは現代でも通用する技巧です。中でも俺が一番感心したのは、合わせ扉の、右を開けるか、左をあけるかで、行き先が違う仕掛けです。追手の前で姿をくらます見事なからくりです。本当は「妙立寺」という日蓮宗の寺なのに、「忍者寺」と呼ばれ、「伊賀ですか? 甲賀ですか?」という問い合わせがくるというのが笑えます。本当に楽しめる「からくり寺」です。

にし茶屋街

コースのプランをアドバイスしてくれた人のおすすめスポットです。コンパクトで人も少なく、静かな茶屋街です。忍者寺から歩いてすぐです。

1月6日ゆえ、正月のしめ飾りが残っています。花街の正月の風情、いいですね。

金沢城公園

城跡が公園になってます。有名な「石川門」を背景に写真を撮ってもらいました。

兼六園

さすが、百万石の庭園です。冬でも枯れない緑が和みます。

雪を期待して、この時期に訪れる人が多いと聞きます。今年は雪の時期が遅いと言います。ただ俺は、その方が転ばなくていいと思います。木々に仕掛けられた「雪吊」綺麗です。「ことじ灯篭」の前で写真が撮れてうれしいです。

21世紀美術館

歴史的建造物が多い金沢にあっても、全く違和感のない現代的な美術館です。トーマス・ルフ展をやってました。また、「実用」と「デザイン」の対比として、左右正反対に向くベクトルの両側に「タイプライター」と「ノートパソコン」が置いてあったのが印象的です。併設するレストランでスイーツを食べました。

広坂クラフト

加賀の伝統的な美術工芸品を展示し、販売もしているギャラリー兼ショップです。本当にきれいです。

店内には、錦糸でかかった手毬、加賀友禅、扇、金箔を施したアートな食器などが飾られていました。手が出せる値段ではありませんが、見ていて深い感銘を受けます。

グリル「オーツカ」~ハントンライスをいただく

髪の毛を長い間、カットしてもらっているヘアデザイナーさんは石川県の出身で、金沢で学校に通ったそうです。年末に綺麗にカットしてもらった折、「ぜひ、行ってみて」とイチオシしてくれたのが、ここ「グリル・オーツカ」です。「秘密のケンミンshow」で、金沢グルメとして取り上げてた時、見て知っていたのですが、やはり実物はすごいです。ケチャップで炒めたご飯(チキンライスではない)の上に魚介系のフライが乗っていて、タルタルソースがかかっているのです。この日はエビフライでした。ガッツリ系の洋食です。カロリー高そうですが、しっかりいただきました。けしてヘビーではなく、お腹がいっぱいになれて、とてもおいしかったです。

長町武家屋敷

加賀藩士が住んでいた屋敷が集中するエリアです。路地に土塀が続く眺めが素敵です。城下町で、しかも戦災で被害を受けなかった金沢ならではの景観です。

香林坊

ハイセンスですね。俺は来る前に「飲み屋街」を想像していたのですが、そうではなく、東京でいう、銀座と霞が関を合わせたようなエリアです。デパートやオシャレな洋服屋、オープンテラスのカフェなどがあります。タクシー運転手さんのいう通りです。

画像真ん中のメンズブッティクで記念にシャツを買いました。暗くなってからもう一度来てみたのですが、青い灯が綺麗です。

木倉町

16時の予定が、ホテルにチェックインしたのが17時を回ってしまいました。コーヒーを飲んでくつろいでから、軽く寝て、シャワーを浴びて、飲みに出ます。俺の泊まってる片町とか、道を渡った木倉町というあたりが、飲み屋街だとわかりました。ホテルから歩いて5分もかからない木倉町に行ってみました。去年、京都を旅行した際に案内された「先斗町」に似た風情があり、旅情に浸りながら一献やるにはいい雰囲気の通りです。

あした、加賀料理のコースをいただくことになっていて、予約も入れてありましたが、やはり金沢の冬となると、魚介系を食べたいものです。刺身の盛り合わせをまず頼みました。「さわらそで」という、カジキの腹の部分が入っていて、これが何とも言えず美味しいです。プリプリの白子、ブリの塩焼きとともに、「手取川」という石川県の酒の大吟醸を飲みました。隣の人に「アンタ、酒にやたら詳しいね」なんて言われながら、その人や店のおかみさんと意気投合して、12:30くらいまで浮かれて飲んでいました。楽しい北陸の初日の夜でした。安全にホテルに歩いて帰り、寝ました。

追記:兼六園のライトアップ

今回の金沢滞在で仲良くなった、エミさんが、1月29日、画像を送ってくれました。すごくきれいですね。「俺が滞在中にはライトアップしてなかったの?」と聞くと、「今週と来週の夜9時までの限定」だそうです。エミさんが、旦那さんと愛息と一緒に寒い中、出かけてくれたのが、微笑ましいです。